SOMPOケア株式会社 / 機能訓練指導員

伊藤友秀(いとう・ともひで)さん

卒業学科 / 鍼灸科

取得資格 / 鍼灸師

QUESTION01

介護の仕事を選んだきっかけ

高校生の頃は将来自分が何をやりたいのか定まっていませんでしたが、高校卒業後は東京福祉大学教育学部に進学しました。教育学部を選んだのは、それまでろくに勉強してこなかったので、小学生に教えたり伝えたりする方法を学びながら自分自身の勉強のやり直しができる、苦手な「人前で話すこと」を克服できる、と考えたからです。

教育学部の実習先は小学校だけでなく福祉関係、養護学校もあります。僕の実習先はデイサービスで、そこでの体験が介護に興味を持つきっかけになりました。単純に楽しかったんです。スタッフの方々にも親切にしてもらい、「ここでボランティアをしたい」という気持ちになりました。実習が終わり、デイサービスで開催されるイベントにお誘いをいただき参加したところ、やはり楽しかった。本校に入学したあと鍼灸師にはいろいろな働き方があることを知りましたが、自分の働く場所として介護を切り離すことができないのは、この原体験があるからかもしれません。

大学卒業後の2年間は社会福祉法人奉優会のデイサービスと、リラクゼーションサロンで働きました。その後、実家から通える職場を探していたところ、現在の勤務先であるSOMPOケアの求人が目にとまり、応募しました。介護職員として勤め始め、鍼灸師の免許取得後は機能訓練指導員として勤務しています。

QUESTION02

鍼灸師の道に進んだ理由

職場のデイサービスで理学療法士が利用者さんに「ありがとう」といわれている姿を見て、人のからだを動かしたり観たりすることによって感謝の言葉をもらう仕事もいいなと思いました。調べてみると、鍼灸師もからだを観る仕事と知りました。鍼灸やツボの話は高齢の方々と通じ合えるとも考え、鍼灸師の道に進みました。

QUESTION03

東京呉竹医療専門学校を選んだ理由

立地と雰囲気がよかったです。そして「自分が3年間学ぶ場所」という想像ができました。ホームページに載っていた教育理念「社会や患者のニーズに応えることのできる治療家の育成」も印象に残り、鍼灸科Ⅰ部への入学を決めました。クラスメイトにも恵まれ、一緒に勉強したりイベントに参加したり、充実した3年間を送ることができました。

QUESTION04

学生時代の勉強方法

教科書を隅から隅まで繰り返し読みました。どこに何が書いてあるのか、ページ数を覚えるくらいまで読む勉強法が自分に合っています。授業中のメモなどもすべて教科書に書き込みます。高校時代にノートをつくったことがありますが、うまくまとめられなかったり、大事なことが抜けてしまったりしたのでノートはつくりません。

また、「ポモドーロテクニック」という時間管理術を活用しました。25分集中して勉強して5分休み、それを4セット繰り返したら長い休憩をとる、という方法です。

一夜漬けは僕には無理なので、規則正しい生活を心がけ、日々勉強して適度に遊びました。おもに学生ホールや教室で勉強し、入学前に想像していたとおり学校が「3年間学ぶ場所」になりました。人生で一番勉強したと思います。

実技は、父親の身体を借りて練習することが多かったです。父親のリクエストに応えながら復習しました。

QUESTION05

在学中と現在のお仕事内容

授業のあと、午後3時ごろから3時間ほど、介護職員として訪問介護をしていました。管理者が勤務シフトを調整し、融通をきかせてくれたので通学しながら仕事を続けることができました。卒業後は鍼灸科附属施術所で卒後臨床研修を2年間、受けました。

鍼灸師の免許を取得したとき当時の部長と面談し、「正社員として働きたい」と希望を伝えました。鍼灸施術を行う部門は現在のところなく、外部の鍼灸院という提案もあったのですが、介護の仕事から離れたくなかったので、さまざまな施設を巡回して鍼灸師としての知識を活かせる現在のポジションになりました。僕が初めてのケースなので試行錯誤しながら動いています。

最初は地域内の有料老人ホーム2施設の担当でしたが、現在は13施設を巡回しています。ときにはご自宅へ訪問することもあります。スケジュールはその日によって異なり、一日中リハビリの対応をするときもあれば、歩行訓練の手伝いや、自費のサービスのなかでリハビリをする「プライベートサービス」に従事することもあります。利用者さんの膝の下にクッションを入れてよく眠れるようにしたり、車椅子に座っている姿勢を直したり、またあるときは福祉用具を選定したり、日常生活動作(ADL)を評価したりします。

QUESTION06

学校での学びが今の仕事にどう生かされているか

現在の業務を担当するようになって1年ほどの間、僕は資料作成ばかりしていました。ところがあるとき、看護師さんに「現場を見なさい!」と喝を入れられました。それ以降はとにかく現場へ行き、自分から動くことを心がけました。介護職員、理学療法士、作業療法士など施設にかかわる現場のスタッフとコミュニケーションをとりました。すると、介護職員が腰痛を患っていることを知り、なぜ腰痛になるのかを本校で学んだ医療面接の手法で話したり、本校で学んだ知識でアドバイスができたり、ときには鍼施術をしたりしました。だんだん僕にできることを知ってもらえるようになり、話しかけてもらえるようになり、必要とされるようになりました。

現場のスタッフとしっかりコミュニケーションをとることは大切ですね。医療面接の手法が活用できます。本校鍼灸科附属施術所での卒後臨床研修で医療面接の重要性を繰り返しご指導いただきましたが、本当に重要なんだと実感しています。

また、呉竹医学会学術大会では卒後臨床研修生として「鍼治療に生活指導を加え功を奏したアトピー性皮膚炎」を発表しました。現在の立ち位置でも生活指導を大事にしています。その方の生活背景を把握し、簡単で継続できる方法をお伝えしています(写真右から2番目が伊藤さん。呉竹医学会学術大会での症例発表を称えられた)。

経絡経穴の知識も軸になっています。機能訓練やリハビリをするとき、利用者さんの手足を擦るときなど、常に経絡経穴を意識しています。

QUESTION07

今後のビジョン

僕のような鍼灸師の働き方もある、ということを提示したいです。そして本校の教育目標にもあるように、ニーズに応えられる鍼灸師になりたいです。職場のスタッフ、管理者、利用者さんの困っていることに、100%でなくても応えることができるようになりたい。鍼灸以外の知識も必要なので大変ではありますが、興味があることややりたいことがあれば、自然と学びます。楽しくやっていれば自然と身につき、必要とされるようになります。いずれは現在の職場に鍼灸施術の部門が開設されるよう力を尽くしていきたいです。

QUESTION08

在学生へのメッセージ

3年間はあっという間です。でも学べる時間は多いと思います。勉強にあてる時間と息抜きをする時間をバランスよく設定してみてください。気をつめすぎず、集中してやっていただきたいです。卒業後、鍼灸師以外の職に就くかもしれない。それでも学校で学んだことは活かせます。信じて勉強してください。

QUESTION09

入学を検討している方へ

僕は実際にここで学んでみて、学びやすかったです。卒業後は鍼灸科附属施術所で研修を積むことができます。在学3年間だけではなく、その先も見据えて検討してみてください。

関連リンク

イベント予約 資料請求 PAGE TOP