スポーツトレーナーを目指すなら持っておきたい!4つの国家資格
スポーツトレーナーは、学生時代にスポーツ選手だった方はもちろん、医療系分野を志望する学生の方からも人気の高い職業であると言えます。スポーツトレーナーの業務内容は多岐にわたり、スポーツ選手の状態を管理し最高のパフォーマンスを発揮して競技が行えるように指導・ケア・育成を行っています。
スポーツトレーナーには必須となる国家資格はありませんが、専門学校などで身体機能・ケガの手当・トレーニング方法など幅広い領域の専門知識と技術を学び、専門性の高い医療系国家資格を取得することはトレーナー活動において有益であると言えるでしょう。
そこで本記事では、スポーツトレーナーとしてトレーナー業務に携わるうえで強みになる東洋医学系の4つの医療系国家資格の概要と、その資格を取得するメリットを紹介します。
1.痛みの軽減やケガの後遺症緩和に力を発揮 『はり師』・『きゅう師』
『はり師』は、鍼をツボに刺して、その刺激によって自然治癒力を高める施術を行うために必要な国家資格です。また、『きゅう師』は、ツボの上にもぐさを置いて、その温熱効果によって不快症状を軽減する施術を行うために必要な国家資格です。はり師ときゅう師はそれぞれ独立した国家資格ですが、同時に取得するケースが多いため『鍼灸師』と呼ばれています。
鍼灸師の資格がスポーツトレーナーに寄与するメリットとして、以下が挙げられます。
- はりきゅうの専門的な施術行為を通じて怪我や病気を未然に防ぐことができる
- 筋肉の張り感などによるパフォーマンス低下を改善するアプローチができる
- スポーツ外傷に対して、他の医療職種と連携し痛みの処置ができる
はりやお灸で血流を促進し筋肉の張りを和らげることにより、選手の自然治癒力を高め良好なコンディションを維持することができます。
2.筋肉の張りや神経の緊張をほぐす 『あん摩マッサージ指圧師』
『あん摩マッサージ指圧師』は、押す・もむ・叩くなど施術者の手で選手の体に直接触れて、筋肉の緊張緩和や障害されている神経の症状緩和、血流やリンパ循環を改善する施術を行うために必要な国家資格です。
あん摩マッサージ指圧師の資格がスポーツトレーナーに寄与するメリットとして、以下が挙げられます。
- 怪我の予防や選手の疲労を取り除く手技を修得できる
- スポーツコンディショニングから医療的施術まで汎用性が広い
選手のコンディション調整を重視する方は、予防から普段のコンディショニング、ケガの後遺症まで幅広く対応できるあん摩マッサージ指圧師の国家資格取得を検討されてはいかがでしょうか。
3.骨や筋肉・関節のプロフェッショナル 『柔道整復師』
『柔道整復師』は、脱臼・捻挫・打撲・骨折などの骨や筋肉・関節のケガに対して応急処置を行うために必要な国家資格です。ケガの初期から治癒まで一貫した対応が可能で、スポーツ現場で起こりやすい様々なケガに対処することができます。
柔道整復師という名称ではありますが、もちろん柔道以外のスポーツ分野の治療でも柔道整復師が活躍しています。
柔道整復師の資格がスポーツトレーナーに寄与するメリットとして、以下が挙げられます。
- 骨折や脱臼などに対して応急処置から治癒まで対応できる
- 電気治療などの治療行為ができる
- 治療に保険が適応されるため、多様な外傷にアプローチする機会がある
これらの施術は医師と柔道整復師にのみ認められており、怪我の治療ができるスポーツトレーナーを志望する方は、傷害の処置に強い柔道整復師の国家資格取得を検討されてはいかがでしょうか。
スポーツ業界で活躍する『鍼灸師』『あん摩マッサージ指圧師』『柔道整復師』
スポーツトレーナーとして活動するには国家資格は必要ではありません。しかし、医療系の国家資格を取得することにより、自信をもってアスリートの体に直接触れて処置ができることでしょう。
チームや選手にとって、トレーナーの専門知識・技術を担保する国家資格の有無は一つの尺度となるため、あなたが国家資格を保有していることは選手の信頼を勝ち取る一因になると言えます。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の国家資格を有するスポーツトレーナーは、アスリートの安心につながる存在として今後もスポーツ分野で活躍されることでしょう。
まずは、ご自身が将来歩んでいきたいスポーツトレーナーの方向性をじっくりと検討され、それに見合う国家資格を調べてみてはいかがでしょうか。