「鍼灸師」という言葉を構成する「鍼」「灸」という文字は、いずれも日常的に使用されるものではありません。そのためはじめて見た人は、読み方がわからないこともあるでしょう。

「鍼灸師」は近年その需要が高まり、社会の認知と共に、鍼灸院以外での採用が増えています。「鍼灸師」の読み方を含めた基本を把握しておくことで、将来の資格取得や、鍼灸師としての就職、独立開業に役立てることができるでしょう。

本記事では「鍼灸師」の読み方や、基本的な仕事内容などについて解説します。

「鍼灸師」の読み方は?~しんきゅうし?はりきゅうし?~

「鍼灸師」の読み方とは?

「鍼灸師」の読み方は、「しんきゅうし」となります。それぞれの漢字を「鍼(しん・はり)」「灸(きゅう)」と読み、そこに「人の手本となる人」などの意味を持つ「師(し)」がついて「鍼灸師」となります。

「鍼灸師」の言葉の意味

「鍼灸師」という言葉を構成する「鍼」「灸」には、それぞれ以下のような意味を持ちます。

  • :「はり」という読み方をする言葉で、鍼灸治療における「鍼治療(はりを使ってツボを刺激する方法)」に用いられる器具・方法を指します。
  • :「きゅう」という読み方をする言葉で、鍼灸治療では「灸治療(もぐさを皮膚の上で燃やして刺激を与える方法)」を指します。

「鍼灸師」はこの鍼と灸のスキルを用いて、患者さんに合わせた適切な施術を行う職業です。一般的にはどちらか一方の知識・技術だけでなく、「鍼」「灸」両方のスキルを身につけることが求められます。

「鍼灸師」になるには?

「鍼灸師」になるには、国家資格の取得が必要です。厳密には「鍼灸師」という資格ではなく、「はり師」と「きゅう師」という2つの資格を取得することで「鍼灸師」として働けます。どちらか一方でも仕事は可能ですが、就職後の担当領域や施術の幅を広げるためにも、「はり師」「きゅう師」の両方を取得するのが一般的です。

「鍼灸師」の国家資格を取得するには、厚生労働省・文部科学省が指定する「はり師」「きゅう師」の養成機関で3年以上学ぶ必要があります。例えば、「学校法人呉竹学園 東京呉竹医療専門学校」の「鍼灸マッサージ科」「鍼灸科」では、3年間所定のカリキュラムを修学することで卒業と同時に国家試験の受験資格が得られます。

東京呉竹医療専門学校では、実際の現場で役立つ実践的なスキルを学びつつ、国家試験対策や就職支援・独立開業を行っているため、最短の3年間で効率良く「鍼灸師」を目指せるのが特徴です。また、国家試験の合格率も高く、鍼灸マッサージ科鍼灸科では以下のような数値を記録しています。(いずれも2022年度の実績)

  • はり師:80.6%
  • きゅう師:80.6%

2022年度の厚生労働省が行った国家試験の合格発表では、はり師の合格率は70.4%、きゅう師の合格率は71.7%でした。いかに東京呉竹医療専門学校で学んだ生徒の国家試験合格率が高いのか、比較すると分かるでしょう。

「鍼灸師」を目指す際には、ぜひ東京呉竹医療専門学校への進学を検討してみてください。

「鍼灸師(しんきゅうし)」の仕事内容

「鍼灸師」の読み方を理解したら、その具体的な仕事内容についてもチェックしておきましょう。

はりやきゅうを使った施術を行う

鍼(はり)や灸(きゅう)を使って患者さんの肉体に刺激を与え、さまざまな効果を引き出すのが「鍼灸師」の仕事です。鍼治療では皮膚に刺し込むステンレス製の細い鍼を打ち、経穴や反応点などに直接刺激を与えます。大きな痛みを伴うことはなく、わずかな少々の刺激を与えるのが鍼治療のポイントです。鍼治療を行うためには経穴の場所などを覚える他、症状に合わせて刺鍼の時間や深さを調整したり、電流を使って刺激を与える方法を選択するといった判断力が必要とされます。鍼治療は主に身体の凝りや血行の促進、神経痛の改善、自律神経の調整などに効果が期待できます。

灸治療ではヨモギの葉を使って作られた「もぐさ」を皮膚の上で燃焼させ、経穴に対して熱での刺激を与える施術です。熱によって血行が促進されることで、免疫力向上などの効果を引き出せます。灸治療は肌に対して直にもぐさ乗せる「直接灸」と、生姜やニンニクなどを間に挟む「間接灸」などの方法があります。

脈診や望診で症状を確認する

鍼灸師は上記のような治療行為の他にも、「脈診」や「望診」を通して患者さんの心身の状態を詳細に確認することも仕事です。脈診とは、一般的な病院でも実施されている手首の脈を測る方法を指します。病院での脈診は患者さんの脈拍を確認することが目的になりますが、鍼灸師における脈診は患者さんの気の流れ・バランスを把握するために行われます。

望診とは、患者さんの状態を目で見て確認し、症状を把握する方法です。一般的な病院でも「視診」と呼ばれる方法で実施されていて、主に患者さんの血色、皮膚、顔色、舌の状態などを参考にします。その他、望診中の動きや身体のむくみなども確認し、症状の把握に活用するのがポイントです。

「鍼灸師」の就職先について

「鍼灸師」ははり師・きゅう師が仕事をする「鍼灸院」以外にも、さまざまな職場に就職する機会があります。例えば一般病院である産科、婦人科、整形外科やリハビリ科などに就職し、鍼灸師として医師や看護師と一緒に働くことが可能です。

その他、介護福祉施設に就職して、高齢者の方々の身体のケアを担当することもあります。就職先の労働スタイルによっては、直接患者さんである高齢者の自宅に伺ってその場で鍼治療・灸治療を行うケースもあるでしょう。

また、美容関係の職場に就職することで、美容鍼灸師として仕事もできます。美容鍼灸は、「鍼灸師」のスキルを使って美容に関する効果を引き出す仕事です。女性を中心に多くのニーズがあり、専門の美容鍼灸院も増加しています。就職先のひとつとして、美容関係の職場も検討できるでしょう。

「鍼灸師」は近年スポーツ業界でも活躍が目立ち、プロアスリートに対して支援を行うスポーツトレーナーとして働く機会も増えています。プロとして競技に挑戦しているアスリートの肉体疲労の軽減や身体的な不調の改善を、鍼治療や灸治療でサポートする仕事です。「鍼灸師」の資格を取得しつつスポーツ業界で働く場合には、同時にスポーツトレーナーの実践的なスキルを学べる学校に進学するのがおすすめです。

例えば東京呉竹医療専門学校の鍼灸マッサージ科鍼灸科では、スポーツトレーナーを目指す方に向けた授業や実習も行っています。将来の就職先としてスポーツ関係も視野に入れるのなら、プロスポーツ分野に多くの卒業生を輩出している東京呉竹医療専門学校への進学をご検討ください。

まとめ

あらためて、「鍼灸師」の読み方は「しんきゅうし」となります。ネットが普及した現代において、漢字の読み方が分からなくて困るというケースは決して珍しくないので、この機会に仕事内容などと合わせて「鍼灸師」の読み方をチェックしておきましょう。